屋根材として多く施工されているのがスレート化粧材です。
商品名としてはカラーベスト、コロニアルと呼ばれる物が多く取付られています。厚さ5mm程度の建材でセメントに繊維素材を混ぜて板状にプレスし表面に防水層として塗装ています。
本来のスレートとは粘板岩を薄い板状に加工した天然素材のことで、ヨーロッパでは古くから建材として使用しています。国内でも流通していますが施工費と部材費が高価な事と荷重設計として木造住宅に適さないので個人住宅の施工は殆どみられません。
見た目にスレート材に似た洋風建築に見え大量に安価な材料として爆発的に使用されています。また、瓦職人が施工しなくても板金職人や大工でも施工できるのも普及に拍車をかけたのでしょう。
スレート化粧材の欠点としては素材自体には防水層がなく、塗装で補っています。工場出荷後、10年程度で塗装面のハガレや素材のヒビ割れが見え始め20年目には素材面の劣化が多く見えてきます。塗装のハガレた素材面だけでも30年位は屋根材として機能するのですが徐々に雨水は浸入していて、下地合板に浸透した雨水で屋根の凸凹が出来、雨水の流れがスムーズになら無くなり雨漏りをさらに助長するようになります。スレート化粧材カラーベストやコロニアル等の薄い平形タイプの材料は遅くても15年目には塗装する事がスレート化粧材と下地合板を長持ちさせて経済的にもメリットがあります。
読者の方で雨漏りしている方は早めの葺き替えで家を良い状態で生活できます。ただし、スレート化粧材の材料である繊維素材として2006年生産以前の商品にはアスベストが使用されていて廃棄費用が高額になる場合がありますので、剥がさずに下地合板と金属屋根材で覆い直す屋根カバー工法が良いです。
屋根カバー工法のお話は別の機会として、今回スレート化粧材の補修工事として多い屋根塗装のお話です。
屋根塗装の工程とポイント
汚れやコケそして剥がれる古い塗膜を高圧洗浄機で洗い流し、ヒビ割れの補修をして下塗りをします。下塗りシーラー材は濡れた感じがシッカリと出るようにメーカー容量を守る事で素材の再硬化と塗料の不要な浸透を防いで屋根長持ちの大事な工程です。屋根塗装工事の8割はこの段階で決まると言っても良いです。洗浄の不足やシーラーの塗り方にムラがあると数年で塗料のハガレが発生します。その時は施工御者にクレームしてみてはいかがでしょうか?
シーラーが乾燥したら一度目の塗装をします。屋根材の隙間もシッカリと塗り塗り残しの無いようにする事で仕上げ塗装のムラがないようになります。
中塗り後に乾燥させ仕上げ塗りをします。この時に屋根材の隙間を塗料が塞がないように縁を切ることで雨水の出口を作る事になります。特に勾配の緩い、屋根の棟から軒先までの距離が長い屋根では雨漏りしやすくなるので必須です。
- 同様に塗装が必要なスレート系の屋根材
塗料の種類
- シリコン系塗料
有機物のシリコン樹脂を主体とした塗料です。建築塗料としては主流の材料、最近ではラジカル制御の耐久力のある材料が人気です。
耐久年数 7年から13年程度
おすすめ 日本ペイント ファイン パーフェクトベスト
参考塗装材工単価 1㎡ 3,000円前後
- フッ素系塗料
東京スカイツリーにも使用されている塗料、汚れが付きにくい、紫外線の劣化に強い耐久性能に優れている。
耐久年数 15から20年程度
おすすめ 日本ペイント ファイン4Fベスト
参考塗装材工単価 1㎡ 4,000円前後
- 無機系塗料(セラミック系塗料)
ガラスやセラミックが代表的な無機質の材料と有機物を混合した塗料です。無機質の劣化しない性質を利用した塗料で汚れが落ちやすく付きにくい特性があります。
屋根塗料としては主流塗料メーカーとしては生産していない。
- 他の塗料系と施工について
他にアクリル系塗料、ウレタン系塗料や遮熱性能がある塗料などあるが、塗料の系統選びも大切ですがより大切なのは、多くの施工実績のある施工管理又は営業が在籍している会社を選ぶ事が大切です。なぜなら、家は一棟ごとに個性があり痛み具合が違います。下塗りの度合いで塗装の耐久度も変わりますので経験値の高い施工会社にお願いすると間違いないです。
屋根は雨や雪から大切な家を守る部分です適切な管理で長持ちさせたい部分ですね。
では、また!
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